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第二十二章 「風邪を引くと、何故よく眠るのか?」について 第1章 帽子を被ったオチンチンの話
おかあさんへのメッセ−ジ

第二十二章 「風邪を引くと、何故よく眠るのか?」について 第2章 おちびさんのオチンチンの
病気−こんな時こそ泌尿器科へ
第二十二章 「風邪を引くと、何故よく眠るのか?」について 第3章 前立腺肥大症の話
健康なお年寄りの病気
第二十二章 「風邪を引くと、何故よく眠るのか?」について 第4章 前立腺癌−
米国では癌罹患率第1位
第二十二章 「風邪を引くと、何故よく眠るのか?」について 第5章 前立腺炎―ご存知ですか?
若い人の「前立腺の病気」
第六章 血精液症の話し第6章 血精液症の話し
第二十二章 「風邪を引くと、何故よく眠るのか?」について 第7章 性感染症対策
マニュアル(其の一)−男性編
第二十二章 「風邪を引くと、何故よく眠るのか?」について 第7章 性感染症対策
マニュアル(其の二)−女性編
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第十章 尿路結石の話第10章 尿路結石の話
第十一章 漢方薬の話し(其の一)第11章 漢方薬の話し(其の一
第十一章 漢方薬の話し(其の二)第11章 漢方薬の話し(其の二)
第十二章 尿路感染症の話し第12章 尿路感染症の話し
第十三章 季節と病気の話し第13章 季節と病気の話し
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第十九章 「道下 俊一先生」の話し第19章 「道下 俊一先生」の話し
第二十章 インフルエンザについて第20章 インフルエンザについて
第二十一章 肥満について 第21章 肥満について

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何故よく眠るのか?」について


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第21章 肥満について,

「もう幾つ寝るとお正月 お正月には凧揚げて駒を回して遊びましょ早く来い来いお正月」

この「お正月」の作曲者は、実は、滝廉太郎です。作詞者の東くめは幼稚園教諭で、東京音楽学校(現東京芸大)で滝廉太郎の先輩でした。彼女の夫で東京女子高等師範(現お茶の水大)教授だった東基吉が「口語体の易しい幼稚園唱歌を作ろう」と企画して、全部で20曲(滝の作品17曲)を作ったのですが、どうしたことか、「お正月」1曲だけが特に有名になってしまった訳です。 ということで、もうすぐお正月です。肥満が気になる時です。今回は、肥満について書いてみます。
肥満と飢餓は正反対の状態ですが、現代人の肥満の問題は、人類が絶えず飢えにさらされてきたことと深い関係があります。約400万年におよぶ人類の歴史はまさに飢餓との闘いで、何度もおとずれた氷河期は、人類に多くの試練を与え続けました。
人類が安定して食料を得ることができるようになったのは、人類が経験した最後の氷河期が終了した約1万年前、中近東で農耕が始まってからにすぎません。しかし、それまでは、先史時代の厳しい食料事情の中で、乏しい食物から得られたわずかなエネルギーを出来る限り効率よく利用し、残りはすべて体の中に蓄えておく仕組みが、人類に必要でした。それは生命が生き延び、繁殖するために不可欠なことでした。
食物から体内に取り入れたエネルギーを効率よく蓄えるには、余ったエネルギーをすべて脂肪に変え、皮下か内臓に蓄えねばなりません。つまり、飢餓と対抗して、体内に大量の脂肪を蓄積する能力を身につける必然性が、人類にはあったのです。
しかし、今日では、生き抜くために欠かせなかったこの能力が、かえってマイナスに作用をしていることがはっきりしてきました。
最近のライフ・スタイルの急激な変化が、大きく影響しているのはいうまでもありません。食べすぎると、当然のことですが、摂取エネルギーが消費エネルギーを上回って、残りは貯蔵に回ってしまいます。イライラしたり、いつも不安感がある場合、それから逃避したいために、つい食べすぎてしまいがちです。運動が不足すれば、消費エネルギーが減り、普通量の食事でも太る原因になります。
肥満者の食事回数は、必ずしも多いというわけではく、むしろ回数が少ない方が、太りやすいことも分かってきました。朝食を抜いて、夜間にたくさん食べる「まとめ食い」や、1日の食事の半分以上を夜間にとる「夜食症候群」などが問題です。夜間は消化管の吸収機能が昼間より高まりやすく、エネルギーが貯蔵に回りやすいからです。
肥満者の行動パターンには、何かをしながら無意識のうちにたくさん食べてしまう「ながら食い」・「早食い」のため満腹感が無い・いつも手の届く処に食べ物を置いている − といった特徴があります。
1994年に「肥満遺伝子」が発見され、体内に大量の脂肪を蓄積する能力は遺伝することが分かってきました。この遺伝子を持つ人が、食べすぎ、運動不足、摂食パターンの異常などの生活習慣に馴染んでしまった時に、肥満になると考えられています。 肥満が生活習慣病の1つに挙げられているのは、こうした理由からです。
現在、肥満の原因は「遺伝3に対して環境7」とされていますから、生活習慣のゆがみをまず正すことがより大切です。
現代医学の治療でも、減食・運動療法が基本になりますが、漢方での治療もこの事情は変わりません。肥満を治すための食事制限には苦痛が伴い、自然に薬に過大な期待をかけることになりますが、漢方でも薬だけでは肥満は治せません。

参考に主な漢方薬を挙げておきます。
防風通聖散(ボウフウツウショウサン)
実証タイプ。体力があり、腹部の皮下脂肪が厚く、お臍を中心にビア樽状に膨らんだタイプで、便秘気味、イライラ、のぼせなどがある場合に適しています。また、不眠傾向で、肩こり、鼻づまり、咳がでる、化膿しやすいなどのほか、赤ら顔で頭痛や耳鳴り、動悸がする場合にも用いて効果があります。

大柴胡湯(ダイサイコトウ)
実証タイプ。血色がよく、体格のがっしりした固太りタイプで、みぞおちのつかえや胸脇苦満が強く、口の中が粘ついたり苦かったりして、便秘、肩こりを訴えるような肥満に適しています。腹直筋が緊張して堅く、お腹が張ったり、みぞおちのあたりが痛むこともあり、ときには咳の症状がある場合にも用います。

桃核承気湯(トウカクジョウキトウ)
実証タイプ。体力があり、赤ら顔でのぼせが激しく、便秘しがちなタイプで、女性なら月経異常がある場合の肥満に用います。腹力が強く、お臍の左斜め下1-2cmのところに強い圧痛があり、手足の冷えや頭痛、肩こり、耳鳴りなどの症状がある、動悸がするなどの人もこの処方が適しています。

防已黄耆湯(ボウイオウギトウ)
中間証・虚証タイプ。色白で締まりがなく水太りしたタイプの肥満に用います。脈力、腹力ともに弱く、よく汗をかき、その割りには小水が少なく、疲れやすくて腰から下が重く、ひざの痛みや足のむくみがあるという場合にも効果があります。

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